今まで太陽を仰ぐことが出来た

男 己の用はいつも一つしかない筈だが。B その用で来たのか。ああその用で来たのか。A うんその用で来たのか。己はお前を待っていた。今こそお前の顔が見られるだろう。さあ己の命をとってくれ。男 (Bに)お前も己の来るのを待っていたか。B いや、己はお前なぞ待ってはいない。己は生きたいのだ。どうか...

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兵卒の声

 ――ああ、ああ。  女の声がだんだん微《かすか》な呻吟になってしまいに聞えなくなる。  沈黙。急に大勢の兵卒が槍を持ってどこからか出て来る。兵卒の声。 ――ここに足あとがあるぞ。 ――ここにもある。 ――そら、そこへ逃げた。 ――逃がすな。逃がすな。[#ここから2字下げ]騒擾。女は...

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私も母親になりたいわ

 ――とうにすんだわ。 ――うれしがっていらっしゃるでしょうね。 ――可哀いいお子さんよ。 ――私も母親になりたいわ。 ――おおいやだ、私はちっともそんな気はしないわ。 ――そう? ――ええ、いやじゃありませんか。私はただ男に可哀がられるのが好き。 ――まあ。Aの声 今夜はまだ灯《ひ...

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