よく己の顔を見るがいい

男 お前は己の顔をみたがっていたな。もう夜もあけるだろう。よく己の顔を見るがいい。A その顔がお前か? 己はお前の顔がそんなに美しいとは思わなかった。男 己はお前の命をとりに来たのではない。A いや己は待っている。己はお前のほかに何も知らない人間だ。己は命を持っていても仕方ない人間だ。己の命を...

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今まで太陽を仰ぐことが出来た

男 己の用はいつも一つしかない筈だが。B その用で来たのか。ああその用で来たのか。A うんその用で来たのか。己はお前を待っていた。今こそお前の顔が見られるだろう。さあ己の命をとってくれ。男 (Bに)お前も己の来るのを待っていたか。B いや、己はお前なぞ待ってはいない。己は生きたいのだ。どうか...

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兵卒の声

 ――ああ、ああ。  女の声がだんだん微《かすか》な呻吟になってしまいに聞えなくなる。  沈黙。急に大勢の兵卒が槍を持ってどこからか出て来る。兵卒の声。 ――ここに足あとがあるぞ。 ――ここにもある。 ――そら、そこへ逃げた。 ――逃がすな。逃がすな。[#ここから2字下げ]騒擾。女は...

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