性器に強大な魔力があると信ぜられていること

[#2字下げ][#中見出し]三 性器に強大な魔力があると信ぜられていること[#中見出し終わり]

 アイヌは性器が特種の神秘的な力をもっていると信じていた。その力とはどんなものであるかというと、これを見る者の目をくらましたり、力を奪ったりするのである。 前に述べたような、平時は決して性器を露出しないという風習も、要するにこれを見る者に害を及ぼさないようにするためである。 アイヌが陰部を蔽うているのは平時のことであって、一朝ことあるとき、例えば害敵からの攻撃を受けたり、病魔がコタン(部落)に侵入して来たと認められるような場合には、敢然と一物を露出して敵や病魔を撃退する呪術をおこなうのである。 陰部を露出することによって害敵から免れようとする呪術行為にホパラタと呼ばれているものがある。男なら前をまくって着物をばたばたさせながら陽物を露出し、女ならば後むきになって上身を屈め、着物をまくって陰門ができるだけ敵方によく見えるような姿勢をしながら、やはり着物をばたばたとたたくのである。 その時の有様をアイヌは次のように表現している。[#ここから2字下げ]オッカイ・ネ・イケ 男ならばホイヌ・パ※[#小書き片仮名ク、1-6-78]・ペ  貂ほどのものをイ・コ・サンケ   露出しメノコ・ネ・イケ  女ならばパ※[#小書き片仮名シ、1-6-79]クル・パ※[#小書き片仮名ク、1-6-78]・ペ 鴉ほどのものをイ・コ・サンケ   露出してイ・コ・ホパラタ  ホパラタする[#ここで字下げ終わり][#ここから1段階小さな文字]

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